上野原市では、他の自治体のまねのできない「情報通信事業」と「市立病院の公設民営化」の二大事業に取り組んでいます。両事業により上野原市は一歩進んだ自治体としての進化を始めています。「かえる」などとんでもないことです。
行政放送と市民チャンネルが始まり、市民生活がテレビ画面に映し出されています。市民が創作する番組作りのサークルも生まれました。インターネットもさくさく感で利用しています。
市民サイドでは、放送と通信をツールとして利用する、「光るまちづくり」の議論を聞くようになりました。地域医療や介護などにも利用するアイデァが芽生えています。市民に利益を還元するシステムづくりも話題に上り始めました。ニュービジネスも生まれる可能性があります。
「情報通信事業」は、日本を情報通信大国にするための国策で、上野原市は関東通信局の管内では最初に申請を出した自治体です。
市は約18億6千万円を使いますが、合併特例債の制度により市の負担は約5億円です。残りは、利息を含めて国から還付されます。
税金が使われますので他の国民も平等に上野原市の分を負担します。このために税負担が増える心配はありません。上野原市で使わなければ、他の自治体が持ってゆく制度です。また、合併特例債を情報通信事業に活用する着想は、他の合併自治体の行政マンからも高く評価されています。合併しない市町村からは不公平だと非難されています。行政を非難するよりも、上野原市民は誉めてやるべきです。
市の事業として関与するために、市民の家計負担が軽減されます。
まず、他の市町村のようなケーブルテレビ株式会社の経営に依存する場合に比べると、上野原市の場合は、家計で初期費用の約10万円の負担金の発生がありません。上野原市の1万世帯では総額で約10億円を支出しないで済むことになります。
また、インターネット料金は、現在の最低料金のプロバイダーより、1/2以下に設定されていて、家計は大助かりとなります。
NTTに任せる選択もありますが、採算の悪い山間地にはなかなか、光ファイバーを引いてくれません。その上、NTTはインターネットでテレビを見る仕組みなので、家庭により対応が難しくなります。 また、放送や通信をまちづくりの基本ツールとして利用することは考えられません。
月額料金はテレビだけの場合は、6倍以上かかります。インターネット料金は2倍以上となります。初期負担金の発生があります。デジタル放送とインターネットを利用する家庭では、年額で8万円から10万円程度が節約できます。
NTTは初期負担投資分を償却するために、上野原市より高い料金設定にせざるをえないのです。また、現在のところ上野原市でのテレビ放送の運用は未定となっています。
上野原市の光事業は、「第三セクター方式」を含めて、「上野原市方式」と言われています。
従来の夕張市のような、第三セクター方式ではありません。上野原市が債務保証をしませんので、全ての責任はUBCが持ちます。
総事業費は約30億円ですが、上野原市が18億6千万円、UBCが11億4千万円を支出します。 家計負担が少ない理由は、UBCが事業費を出すことにあるのにも気づきます。 UBCが地域貢献だとアピールする意味も理解できます。
光ファイバーなどの保守管理費が年間5億円発生し、市の負担が増加すると言う意見がありますが、
上野原市では、UBCに光ファイバー設備を貸与しますので、その貸与料の範囲内で保守契約をすると考えています。第3期の工事が終了して同設備は市の所有物になりますので、その時点で保守管理費は明らかになります。
上野原市の情報通信事業は、行政が借金を5億円増やし、市民全体は単純に初期費用の総額で10億円の得をする勘定になります。不況が深刻化する時代に、市民が得をする施策は大きな驚きです。行政が市民説明を簡単に切り上げて?、事業化を急いだ理由が理解できます。
投資効果は、すぐに西工業団地の完売として現れ、市の財政も固定資産税などが数年内に増加します。ネットを利用する家庭としない家庭では、総務省が2010年には年間150万円の差ができると試算していたことを思い出します。市民のふところは豊になります。
この事業は、行政が市民にプレゼントをする事態を招きました。あり得ないことが起こりつつあります。行政マンにこの離れ業をやってのけた人物がいたのは間違いありません。
「光るまちづくり」の仕掛け人は一体誰なのでしょうか?
1
2