07.07.29修正 07.07.17初稿
上野原市の光網計画の進展が目に見えない。
光ファイバーの電柱共架を許さない地権者と青ビラ派の実力行使による工事妨害で行政も疲労感が漂う。市民の中からは実現が難しいとの憶測が飛び交っている。
それでは、この事業が中止となった場合は、上野原市民はどのような方法でデジタル放送を視聴するつもりなのか?
市民の意見を聞いてみた。
意見1.国に任せておけばそのうちデジタル放送を視聴できるようにしてくれる
意見2.NHKやNTT?や大手企業に任せればよい
意見3.組合方式でこれまでと同じように視聴する
意見4.アンテナ受信をする
意見5.インターネットや衛星放送で個々に対応する
デジタル放送の視聴と高速インターネットの利用は、本来は個人負担で対応すべきもので、国が関与するものではない。
電波環境のよい都内でも個人負担でアンテナを取り付け、またはケーブル組合に加入して、場合によりプロバイターと契約して利用するのが基本だ。
総務省は電波環境の悪い地域とインターネット未整備地域の解消を目指し、平成19年度の地域情報通信振興施策を発表している。2010年までに光ファイバー等の整備を推進しブロードバンド・ゼロを解消する方針だ。条件不利の市町村または第三セクター法人に対して、交付率1/3と1/4の交付金を用意している。
つまり、自治体がらみの申請に国が交付金を支援するであって、国が自発的にやってくれるのではないことが解かる。
条件不利地域を克服するためには、国民側が自治体がらみで事業費の2/3または3/4を用意して国にお願いしなければならない。意見1. は正しい考え方ではない。
NHKやNTTや大手企業に任せればよいとする意見は、現状で放送と通信が別々の法体系であることを度外視した理解であり、混乱がある。大手CATV企業は世帯数10,000戸の上野原市では採算に合わず参入はしない。NTTも原則200戸以上の契約がなければ、インターネット用の光ファイバーは引いてくれない。
組合方式でこれまでと同じようにデジタル放送を視聴するためには、例えば上野原市の場合は共聴組合を一本化して、第三セクター法人を設立してCATV事業を開始することが条件になる。上記のように総務省からは全事業費の1/4しか交付されない。事業費総額が20億ならば、15億円を組合員が負担しなければならない。不可能なことだ。
デジタル放送を見るだけなら、意見4.と意見5.は一番よい意見だと思われるが、電波環境の悪い山間地域やビル影の家庭では対応策を見い出せないだろう。いずれも初期投資の数万円が必要になるし、インターネットはNTTの営業方針に依存せざるをえない。
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以上を踏まえて、よく考えると、
上野原市の情報通信基盤整備事業はよくできた計画だと解かる。
合併特例債の利用で総事業費の約1/3が市負担で事業が完成する。
都留市や大月市が上野原市と同じ事業をするとしたら、上記の交付金を利用するしかない。総事業費の2/3または3/4を全家庭で負担するしか選択肢がない。
上野原市は合併したお陰で、市民に大きな利益がもたらされることになる。
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青ビラ派の誘導に乗ってはいけない。この事業が挫折したら大変なことになる。